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胃袋がよろこぶ時間。
大竹先生が語る、「江戸東京野菜」

7月31日、オテル・ドゥ・ミクニにて第1回目のAXU会員限定のランチセミナー「極上のフレンチで楽しむ、東京の地産地消」が、和やかな雰囲気の中、行われました。

セミナーでは、講師としてお迎えした、江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂さんから、この日のメニューでも使われた江戸東京野菜についてのお話を伺いしました。

大竹先生が語る、「江戸東京野菜」


江戸東京野菜の復活

「江戸東京野菜」の主なものは、江戸時代に諸国の大名が国元の野菜の種を江戸屋敷に持ち込み栽培し、品種改良されて江戸の野菜として定着していったものです。

その野菜は、収穫された産地の名を付けられていて、例えば、小松菜は八代将軍、徳川吉宗が小松川村(現江戸川区)を鷹狩りで訪れた時、土地の者が昼食に出した餅の澄まし汁の中に入っていた青菜を大変気に入ったのですが、名前がないことを知り、その土地に因んで「小松菜」と命名したと言われています。

他にも江戸東京野菜は、「練馬大根」や「亀戸大根」など江戸の地名が名前についていることもあって、地元の人に大変親しまれていました。

明治時代以降は、欧米や中国大陸から様々な新しい野菜が移入され、日本の風土にあった野菜に改良され全国各地に広まっていきました。その後、昭和40年代以降、江戸東京野菜は味にクセがある、形が大きいなど、消費者の好みに合わないという理由や、栽培しにくい、形が不揃いであるなど、生産者や流通面での苦労もあり市場から徐々に姿を消していきました。

そんな江戸東京野菜ですが、最近になって、消費者の野菜に対するニーズの広がりと共に、独特な味と香り、多様な食感が再評価され、また、地産地消の観点から東京の伝統野菜として、注目を集めるようになってきました。

東京は言うまでもなく、日本最大の消費地で、全国から沢山の野菜が集まってきますが、東京の畑でも、東京の生産者の方々が、色々な品種の野菜を作っています。東には江戸川・荒川流域の畑、西に行くと高い山もあります。南は小笠原の亜熱帯の農業と日本農業の縮図のようで、生産量は少ないものの何でも栽培されています。しかも、江戸東京野菜も含めて、東京の野菜は、露地栽培されているものが殆どですので、旬がはっきりしていて、季節を味わうことができる野菜たちなのです。

代表的な江戸東京野菜には「練馬大根」、「金町こかぶ」、「亀戸大根」、「大蔵大根」、「品川かぶ」、「しんとり菜」、「東京うど」、「のらぼう菜」、「馬込半白きゅうり」、「寺島なす」、「馬込三寸人参」など、多種多様な品種があり、その名前を聞くだけでも個性的で、楽しいものがあります。

今日のメニューにも使われている「寺島なす」は、霜が降りる11月ごろまで食べられるものです。かつて、墨田区東向島あたりは寺島村と呼ばれ、なすの産地として有名でした。この寺島なすは卵をひと回り大きくしたもので、なす特有の香りが強く、たくさんなるのが特徴です。

実は堅いくらいにしっかりしていますが、加熱するとトロミが出て、天ぷらや炒め物などに向いていて、油料理との相性は抜群なのです。寺島なすは、三國シェフの手によって本当に美味しく料理されている。私自身、毎回楽しみにしている食材の一つでもあります。



大竹道茂(おおたけ・みちしげ)
●JA東京中央会で平成元年より江戸東京野菜の復活に取り組み、平成9年には江戸東京農業の説明板50本を都内に設置企画。江戸東京野菜のコンシェルジュを自任。NPO法人子どもの食育推進協会理事。江戸東京野菜普及推進連絡協議会(築地)顧問。英国国立ウェールズ大学大学院環境プログラム講師。ブログ 「江戸東京野菜通信」で情報を発信中。
 


寺島なす
今回のランチセミナーで使われた江戸東京野菜のひとつ「寺島なす」。

オテル・ドゥ・ミクニのキッチンでは手際よく「寺島なす」が調理されていく。
オテル・ドゥ・ミクニのキッチンでは手際よく「寺島なす」が調理されていく。

東京・羽田沖で獲れた穴子のグリエに、江戸東京野菜「寺島なす」を添えていただく。
東京・羽田沖で獲れた穴子のグリエに、江戸東京野菜「寺島なす」を添えていただく。

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