
照葉樹林を、知っていますか?
字の如く、葉がキラキラと照り輝く樹種の集まり。
かつて日本に広がっていた照葉樹林の木々や植物は、
人にとって衣食住の材料となり、文化の礎として愛されていました。
でも今、まとまった広さで残る照葉樹林はごくわずか。
日本国内最大の面積を残す、宮崎県の綾の森で知った植物愛とは?
宮崎県のほぼ中央、綾の森を歩きながら、照葉樹の葉を採集した。葉は表面に光沢があり、指でなでるとツルツルして気持ちいい。先頭を行く綾町照葉樹林文化推進専門監の河野耕三さんが、その理由を教えてくれる。
「葉の表面からロウ状の物質が分泌され、光沢があるのです。クチクラ層といい、夏の強い太陽光線から身を守り、葉の表面から水分が蒸発するのを防ぎます。太陽の光を浴びるとキラキラと照り輝くので、照葉樹というのです」
樹木は大別すると、針葉樹と広葉樹に分かれる。広葉樹はさらに、秋になると紅葉して葉を落とす落葉樹と、冬のあいだも緑の葉をつけたままの常緑樹に分けられる。その常緑樹のひとつが、照葉樹だ。暖かい気候を好む照葉樹は、日本では主に沖縄や九州、西日本にかけて分布している。
樹齢約200年のカヤの木。碁盤、将棋盤などの材料ともなり、樹齢500年のものになると、1本1000万円以上ほどで取引されるという。
照葉樹の葉が小さいのは、冬の寒さに対応するためだそうだ。落葉樹は、気温が下がり光合成ができない冬のあいだ、余計なエネルギーを消費しないように葉を落とす。一方、冬のあいだも光合成ができる暖かい地域に生える照葉樹は、葉を落とす必要はない。ただ、葉を大きくするとそのぶん自身の細胞も増え、エネルギーを多く消費してしまうので小さな葉をつけているということだ。
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