
アイヌ民族はシマフクロウを“村の守り神”と呼ぶ。
獲物を狙う鋭い目と、木の上から羽ばたく姿は、
まさに神の化身と称されるほど勇ましく、美しい。
しかし、その数は時代を追うごとに減り続け、
日本では北海道に約130羽しか棲息しない絶滅危惧種に……。
守り神を守り、自然と共生していく方法を探りました。
海から陸へと連続して、生物の多様性を育む、
シマフクロウの棲む知床へ。
北海道・斜里町ウトロに今年4月、オープンした『知床世界遺産センター』のパネル展示に、知床半島の位置を示した大きな地図がある。だが、世界自然遺産である肝心の知床半島は左隅に配置され、地図の中心には知床の北東に広がるベーリング海が描かれている。不思議に思い、所長の金盛典夫さんに尋ねてみた。
「ベーリング海域には、知床生まれのサケやマスが豊富に棲息し、やがて産卵のために知床の川へと、戻ってきます。ベーリング海と知床の陸が連続した生態系を形づくり、生物多様性を維持する自然環境が残っているからこそ、知床は世界遺産に登録されたのです」。
登録地域は、知床半島の海岸線から約3キロメートル沖までを含むという。そして、金盛さんは「知床の多様な生態系を育む根源となっているのが流氷です」と付け加えた。
『知床世界遺産センター』の所長・金盛典夫さん。「ルールやマナーを守り、知床の自然散策を楽しんでください」。
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